この作品が出来上がったとき、その生徒が嬉しそうな顔をして「ほら、見て!」とそれを持ってきた。
そして私が、「ドラゴン、上手に出来たね」と言うと、
「ドラゴンじゃないよ。龍だよ」と、その子。
「何が違うの?」
「だって、背中に羽がないもん。」
う~ん、なるほど!ドラゴンには羽があって、龍にはそれがないか...。
Google画像で、「ドラゴン」と「龍」を検索しても、その違いが明確ではない。
そこでウェブ検索してみると、興味深い記事を発見した。
■「龍」と「ドラゴン」は違う!中国ブログ界で文化論争勃発(サーチナ Searchina)
この記事に見られる、龍とドラゴンの相違点は以下のとおり。
- 西洋のドラゴンは、羽があり、時に火を噴き、邪悪なものだが、中国本来の龍は縁起が良いもので、羽はないが空を飛べ、ある時は風雨を司る存在で、さらには皇帝の象徴でもある。
翻訳すると同じだが、その性格やイメージからは全く別種の物、といった例はこの世に数多くある。
この西洋の「Dragon」と中国の「龍」の例もまた、その一つなのだ。
上の作品を作った生徒にとっても、その2つはまったく異なるものだったに違いない。(羽があるかどうか、という外見的な理由ではあるが)
これは、英訳辞書や和訳辞書を引いただけでは知ることのできない文化的差異を示すものであり、国家間の文化的摩擦を起こす原因になりうる「パーセプション・ギャップ」の例である。(という研究論文を昔読んだことがある。)