August 14, 2007

「オープンエデュケーション」が及ぼす教育産業界へのインパクト

コンピュータやインターネット技術の発展・普及に伴い、私たちは貴重な資料や情報に容易にアクセスすることができるようになりました。
当然のことながら、それは情報を公開し、共有してくれる人々がいるからです。

以前であれば企業秘密として決して公開しなかったであろうソースを公開し、世界中の人々がそれを利用し、さらに使いやすいものに改良していきます。

webの世界ではこれを「オープンソース」と言いますが、教育の分野でも応用しようという動きが近年特に高まっています。 それが、「オープン エデュケーション」と呼ばれるものです。

「オープンエデュケーション」という言葉は、主に次の3つの意味で使われています。

  1. 学校建築・施設がオープン化された設計になっている学校。「カベのない学校(教室)」などと呼ばれる。

  2. 教育内容・方法がオープン化された学校。

  3. 上の1と2の両方がオープン化された学校。

1の意味で使われる場合、見た目の教室の形態という外面的なものなので、それほど問題とはなりませんが、2の意味で使われる場合、その方法論と内容という両面において議論・研究の対象となります。
それは、「何をどこまでオープン化するのか」、「どのようにオープン化されるべきか」といった方法論的な議論に始まり、そのオープン化すべき内容の質的な問題までもが議論の対象となりうるからです。

教育のオープン化という考え方は、決して新しいアイデアではありません。イギリスでは19世紀後半からすでにオープン化の動きがありました。
しかしながら、現在のオープン化のムーヴメントが、以前のものと決定的に異なるのは、インターネットやウェブを使ってオープン化していこうとする点でしょう。つまり、低コストで高パフォーマンスが可能となったのです。

大学の講義の映像や教材などがネットで無料で公開され、誰でもそれを無料で見たり聞いたりすることができると想像してみてください。
大学入学試験をパスしなければ受けることができなかった講義内容を「オープンエデュケーション」という方法では受けることが可能となるのです。

オープンエデュケーションが社会に与えるインパクトはどのようなものか。教育産業界はどのように変化していくのか。 こうした疑問は今後の動きを注意深く観察することにより徐々に明らかになっていくものと思います。

ただ現時点でハッキリ言えることは、このオープンエデュケーションというムーヴメントがまだまだスタートしたばかりであるということ。そして、避けては通れない大きな波であるということだけでしょう。

[参考URL]
柿内真紀:「オープンエデュケーションにおけるオープン化の一考察 ~日本とイギリスのオープン化課程の比較」
「オープン・エデュケーションとは」 『ぐんま国際アカデミー ユニークな特徴』
「Open Education Conference 開幕」 『北海道大学 野坂政司 研究室 掲示板』
OCWの意味
OCWの次に来る未来:オープンエデュケーションというムーヴメント
誰にとってのユートピアか?:オープンエデュケーションの果てにあるもの
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